先日、「ふたつのコンパネ」で「コントロールパネル」を「コンクリートパネル」と勘違いした施工管理の上司(50歳女性)の事を書いた。
その「コンパネ上司」が再び迷走した。
どうも、彼女の使用するPCでは、会社で使用している見積ソフトとの互換性が良くないのか、しばしばフリーズするらしい。先月、PCの入れ替えをしてから同様の症状が始まったらしいが、それまでスムーズだっただけに、ストレスはいかばかりか。
元々せっかちな性格故、苛立つ声を頻繁に聞くようになった。
彼女の隣の席に座るデザイナーの女性(52)、彼女もまた、PCに弱い。
逆隣の施工管理の女性(54)も同じく。
今日も、上司の見積ソフトがフリーズした。
「また再起動するしかないね」
隣からデザイナーが言う。
見積ソフトを再起動。完全にフリーズしたのだから、選択肢に入るのも致し方ない。
と、思っていたら。
上司、PCの電源に手を伸ばす。
そう、電源を長押ししてPCごと強制的に再起動しようとしているのだ。
ちょっと待て、仮にPCを再起動するなら、マウス操作が出来ている以上、電源の長押しをする必要なんかない。
私はあわてて立ち上がり、
「Ctrl、Alt、Delete!」
と叫んだ。
きょとんとするふたりをよそに、タスクマネージャーを立ち上げて見積ソフトを終了させた。
何をやったのかと、興奮気味のふたり。
Ctrl+Alt+Deleteを同時に押す操作方法を教えると、感動してメモを取り始めた。
「こんとろーる、おると、でりーと」
次に読んだときには、絶対「あると」と言い出すだろうなと思いつつ。
逆隣から、もうひとりの施工管理も「あとで私にも教えて!」と声をあげた。
少なくとも私は高校生の頃にこの方法を教わった。もう20年ほど前のことだ。
恐らく、今やこれ以上にスマートに見積ソフトを再起動する方法もあるのだろうが、何にしても、電源長押しの強制終了しか選択肢しかない上司たちに戦慄する。
うちの会社がいつまでもアナログから脱却できない理由が解る気がして、溜息のこぼれる午後だった。