猫と暮らせば。

君と生きる、この世界で、この家で、君たちと生きていく。

【君と生きるために】世界で一番幸せな猫(3) ナッシング

 晴れた日曜日だった。

 私は、あの写真の真っ白な猫に会いに行くことにした。

 とはいえ、あの猫は3匹の中の1匹らしく、実際には3匹の猫と面談をして1匹を選んで欲しいとのことだったから、会うのは真っ白い猫だけではない。

 白い猫の写真を見た時に最初に思ったのは「ヴィクトリアみたい」だった。”ヴィクトリア“は、ミュージカル『CATS』に登場する猫の名前で、唯一全身真っ白な猫だ。もし白いメス猫をもらうことになったとしたら、ヴィクトリアから名前を取ったと思う。「ヴィク」とか「リア」とかそんな名前。だけど、やり取りの中で、今回会う子は白い猫も含めて全部オス猫だという。

「シャンちゃんはオスでしょう。オスならオス同士の方が相性は良いよ」

 保護ボランティアさんはそう言った。そして、「メス猫は……」と口ごもりながらこう付け加えた。

「大体性格が悪い」

 なんだそれ……

 そういうものなのか。個体差はあるのだろうけれど、メス猫の方が圧倒的に強かな猫が多いそうだ。ジェミマもシャンもコタロウも、強かとか狡賢いとかそういう側面がないものだから、猫にもそういう性格の子がいるものなのか、と思った。

 

 かくして、私は猫ボランティアの女性の家にお邪魔した。

 現在、新築中なので、仮住まいだ。この時は、犬と猫を合わせて十匹くらい保護していたり飼っていたりしていたと聞く。そのため、仮住まいの家を探すのは一苦労だったそうだ。それはそうだろう……。1匹でも大変なのに。

「ここにおるんやけど」

 2階の一角に案内された。

 ゆっくりと扉を開くと、4畳半ほどの部屋にキャットタワーやおもちゃがあり、小さな猫が2匹遊んでいた。真っ白な猫と、白地に黒いぶち模様のある猫だった。

「写真の子ですか?」

「そう、一番元気な子なんよ」

 私が入ると、猫たちは警戒したようにキャットタワーの影や保護ボランティアの女性の傍に身を寄せた。3匹と聞いていたはずだが。

 不思議に思いながら、キャットタワーの影の白い猫に手を差し伸べる。警戒しながらも、猫はおずおずと近づいてきた。一番元気で、多分一番人懐っこい。

 その向こう――キャットタワーの向こう側、部屋の壁際でうずくまっている猫が一匹。他の猫よりやや大きいだろうか。これもまた、真っ白な猫だった。一匹だけ、まるで人形のように身動きひとつ取らなかった。

「あの子は一番元気がないというか、あんまり食べへんし警戒心が強いみたいなんよ」

 説明しながら、女性はおやつを私の掌に載せた。

「あげてみて」

 いわれ、床に手の甲をくっつけると、写真の白猫とぶち猫は転げるように寄ってきて、私の手のひらに鼻をこすりつけながら夢中でおやつを食べていた。

 壁際の人形のような猫は、やはり身動きひとつ取らなかった。