猫と暮らせば。

君と生きる、この世界で、この家で、君たちと生きていく。

【君と生きるために】世界で一番幸せな猫(2) 迷いつつ

 状況を理解した時――いや、理解は出来なかった。そんなことが起こりうるなんて、考えても考えても納得出来なかった――、頭の中は真っ白になった。

 写真を見れば見るほど、真っ白で美しい猫だった。

 閉じ込められていた?

 ゴミ袋に仔猫?

 虐待じゃないか……

 

 いや。

 初めてではない。こういった話は、全くの初めてではない。

 考えてみれば、仔猫をゴミとして捨てるという悪質な行為に関しては、ジェミマでもう経験をしている。成猫をケージに押し込むなんて信じられなかったけれど、世の中には殺人や虐待に手を染める人間が一定数いる。その中のひとりの遭遇したということか(実際に自分が目の当たりにしたわけではないけれど)。

 同情は禁じ得ない。

 一方で、安易にその猫を引き取っても良いものだろうかと、考えた。

 多分、ボランティアの方々も焦っているのだろうと察せられた。早く里親を見付けなければ、と。3人で十数匹の猫を引き取るなんて、考えただけでも大変そうだ。1日も早く貰い手を見付けて猫を安心させたい思いもあるだろうし、自分たちも安心したいだろう。

 でも、私で良いのか?

 シャンは大丈夫か?

 

 シャンは人懐っこい。でも、シャンが後から入ってくる猫を受け入れるかどうかは解らない。

 ジェミマは猫らしい気分屋で、母に甘えるときもあれば抱っこを嫌がる時もある。外に出たがったりもする。そして、コタロウとはあまり仲が良くない。コタロウが構ってほしくてすり寄っても、嫌がるそぶりを見せたり威嚇したりすることがある。コタロウは本当にひょんなことから実家に転がり込んでしまったものだから、ジェミマは受け入れる準備が出来ていなかった。もちろん、それに関しては父や母も同じなのだが、猫同士だからって必ずしも仲良くなれるわけではない。

 シャンは大らかな性格だが、他の猫が入ってくることによってジェミマのような神経質さを見せないとも限らない。そうなった時に、私は新しく入ってくる家族に辛い想いをさせてしまうかも知れない。既に人間の手で傷つけてしまった猫だ。二度と傷つけるようなことはあってはならない。

 一生涯大事に大事に大事に大事にしていくことを考えた時に、本当に私で良いのか。本当にシャンは大丈夫かと、迷わずにはいられなかった。

 

 保護ボランティアの方にそんな悩みを打ち明けると、家庭や先住猫との相性もあるから、里親になりたいと思っても、まず1週間程度のお試し期間が必要になるから、その点は心配ないと言われた。

 それに、まずは一度会ってみないか、と。

 会ったら絶対に一緒に暮らしたくなるに決まっている。そう思いながらも、私の心はほとんど、「里親になる」方に傾いていた。