猫と暮らせば。

君と生きる、この世界で、この家で、君たちと生きていく。

【君と生きるために】春夏秋冬(3) Kiss the girl

 や、ガールじゃないけどな(先に言っとく)

 

 

 それはともかく。

 猫には「鼻キス」という行動がある。

 鼻同士をくっつける行為で、挨拶や愛情表現などの意味があるらしい。猫の性格によってする猫、しない猫がいるし、人間からしにいくと嫌がられたりすることもよくある。

 シャンは、鼻キスが好きな猫だった。

 よく膝の上に乗ってきては、上半身をよじ登って後ろ足で立ち、顔を近付けてきた。猫から人間に感染するような感染症がある(逆もある)というのは漫画で得た知識で知ってはいたが、ちょっとくらいなら大丈夫、というのもネットで得た知識で知っていた。そういう行動があるとかかりつけの獣医さんにも相談し、たまになら問題はないとも言われていたので、シャンがしたいときはさせていた。

 猫は、顔をのぞき込まれるのが嫌いらしい。威嚇されていると思われたり、警戒されることがある。が、シャンは顔をのぞき込むと自ら顔を近付けて鼻にチュッとキスをするような猫だった。

 無性にシャンが愛おしかったし、シャンからも愛されていると感じていた。

 

 夏が過ぎて、秋になり、シャンは布団に潜り込んでくるようになった。

 夏は夏で、一緒に寝てはいたのだが、布団の上に乗っかって仰向けになっていることが多く、しかも私の脚の上やお腹の上に妙に器用にバランスをとって寝るので、私は私で落とさないように気を配って寝るのが大変だった。慣れてくると、その重みがないと心もとないくらいだったのだが。暑いのが苦手なくせに、ある程度の重さを感じないと寝られないというめんどくさい体質のせいで、私は真夏でもタオルケットなどの薄手の物ではなく、冬と同じ掛布団を使っているので、プラスされるシャンの重さは大歓迎だった。

 そんな夏も終わり、肌寒い秋がやってくると、今度は一緒に寝て暖を取るようになった。シャンの柔らかなお腹は、愛情がいっぱい詰まっているような気がした。

 

 小学生の頃、2年間飼育委員をしていたのだが、6年生の時に飼育小屋のウサギが野犬に襲われて9割が無残に殺された。それ以来、犬が苦手だ。小学生から高校生まで自宅でウサギを飼っていた。可愛がっていたウサギが猫にやはり無残な殺され方をして以来、猫が憎かった。

 でも、ひょんなことからジェミマを一時的に飼うことになり、ジェミマが実家に行ってからシャンがやってきて、実家にコタロウがやってきて、私はもう猫に夢中だった。

 私の飼っていたウサギを殺した猫も、生きることに必死だったのだろう。

 私と縁のあった3匹の猫は、みんな一生懸命に生きている。自分の生きる場所を求め、人から注がれる愛情を懸命に返しているのだと感じた。

 落葉の秋の深夜、傍らに熱を感じながら、この小さな命を精いっぱい守っていきたいと強く思った。