宅地建物取引士の試験に、落ちた。
10月受験で、自己採点37点。
今年の合格点は、38点。……悔しい。
不動産業を営んでいる会社に勤めているが、会社で宅建士の資格を持っているものは誰もいない(現在は、在籍していない年配の宅建士の方から名義を借りて不動産業を運営している(※違法))。社長からの命令で、申込みをしたのが7月のこと。
申し込みはしたものの、その時期は兎に角会社の売り上げが悪く、何をしても良いから売り上げをあげろ、会社に金を入れろと急き立てられていた時期でもあったため、ぼちぼち勉強を始められたのがお盆過ぎ。
ちょっとくらい違法なことなんてどこの会社でもやっていることなのだから、と、違法営業や違法建築にためらいのない社長で、ビジョンのない会社でとにかく「儲ける」ことだけを求めていることに違和感を覚えたのは、その頃だった。
「コロナ禍」と呼ばれるこの状況の中で、社長が片手間に始めた不動産業も飲食業も売り上げが上がらない。私が自分で社内で立ち上げた企画だけが順調に軌道に乗ってきたが、インセンティブが支払われない。それで社長に直談判した結果、退職を迫られたのが秋口のこと。
宅建の受験の時には年内に退職することが決まっていたが、資格自体は持っているに越したことはない。躍起になって勉強した。
毎年15~17%程度の受験者を合格させるため、合格点はその年によって変わる。
昨年は35点だった。平成30年、合格点が過去最高の37点だった時、「国家資格の試験でここまで合格点が上がるとは」とざわついたという話を聞いたことがある。
だから、まさか37点を超えては来ないだろうと思っていた。
受験後、自己採点で37点を取った時、安堵した。
が、その後、解答速報や合格点予想で、合格点は「37点±1点」が有力とされ、落ち着かない日々が続いた。
例えば35点だったら諦めがついただろう。「来年がんばろう」と早い段階で思えたかも知れない。
解答速報が出て数日後、問42に回答が複数あるという話が持ち上がった。これで問42が没問になれば、合格点は上がることになる。そもそも、私は問42を初期の正当と考えられていた回答をしていたので、これにより点数が上ることはない。
合格発表は12月2日。
0時過ぎに速報が出た。
38点。過去最高。
……駄目だったか。悔しさが込み上げてきた。もっと真剣に取り組むべきだった。もっと早くから勉強に取り掛かるべきだった。言い訳などせず、苦手な部分をしっかりつぶしておくべきだった。
不合格であれば、37点だろうが0点だろうが同じだ。
9時半を過ぎて、一応合格発表を確認する。
「入力された受験番号は、合格者受験番号の中にはありませんでした。」
……この書き方やめてくれないかなぁ。「不合格」と言われた方がすっきりするわ。と思いつつ、来年は建築士試験も控えているし、忙しくなるぞ、と腹を括る。
夕方、知人に今回の結果を伝えた。
「今、宅建資格を持ってない人の中で、一番資格取得に近い人達の中にいるってことですね」
そんな発想はまるでなかった。
そのポジティブさに少し救われた師走の夕。
来年、リベンジ。